後立山南部(長野) 爺ヶ岳中峰(2669.9m)、南峰(2660m) 2023年8月17日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:08 柏原新道登山口−−2:36 一枚岩(標高2000m)−−3:47 種池山荘−−4:40 爺ヶ岳中峰 5:33−−5:51 爺ヶ岳南峰−−6:27 種池山荘−−7:10 一枚岩(標高2000m)−−8:00 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2023年8月17日 日帰り
天候晴。北西の風やや強し
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望南峰、中峰とも邪魔するものがなく晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント台風7号通過直後に登頂。予報ではお昼前から雷雨の可能性があり、日の出前に山頂に到着して1時間の滞在で下山して雨に降られることはなかった。残念ながら気圧配置が良くなく台風一過の好天にならないと予想したがその通りで、湿った風が入って槍穂、立山、剱岳、鹿島槍などはガスに隠れ、爺ヶ岳中峰にも時々ガスがかかった。八ヶ岳、南アルプスは雲の中だったが日の出直前には尾瀬〜奥日光の山並みを見ることができた。


爺ヶ岳中峰から見た日の出。ちょうど苗場山から上がってきた


登山指導所。仮設テントは撤収されていた 大町市街地の夜景
扇沢駅 先人の足跡。追いつくことはなかった
種池山荘。まだ周囲は真っ暗 東の空が白みだす
爺ヶ岳中峰(山頂) 山頂のトウヤクリンドウ
爺ヶ岳中峰から見た夜明け前の越後三山〜利根水源山脈〜尾瀬〜奥日光の山々。最遠は会津駒ヶ岳の約151km(クリックで拡大)
爺ヶ岳中峰から見た燧ヶ岳、至仏山 爺ヶ岳中峰から見た日光白根周辺
爺ヶ岳中峰から見た南〜西〜北の展望(クリックで拡大)
爺ヶ岳中峰から見た頚城山塊、北信の山々
日の出は苗場山から 鹿島槍ヶ岳山頂は雲の中
冷池山荘 冷池山荘テント場。昨日は悪天だったはずだが幕営者あり
白沢天狗尾根と東尾根 爺ヶ岳南峰山頂に人の姿
爺ヶ岳南峰に向かう ミヤマコゴメグサ
イワツメクサ 花が開いたトウヤクリンドウ
ウラシマツツジは早くも紅葉した葉あり ハイマツの影のゴゼンタチバナ
中峰を振り返る 中峰/南峰鞍部のトウヤクリンドウ
中峰/南峰鞍部のタカネヤハズハハコ 中峰/南峰鞍部のタカネヨモギ
中峰/南峰鞍部のコマクサ 爺ヶ岳南峰山頂
爺ヶ岳南峰から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
爺ヶ岳南峰から見た南尾根 種池山荘方面へ下山開始
チングルマに埋もれてミヤマリンドウあり ミヤマアキノキリンソウ
シラビソの松ぼっくり ヤマハハコ
針ノ木岳 種池山荘東側のお花畑はおしまい
エゾシオガマ ウサギギク
ミヤマリンドウ ミヤマリンドウ
ミヤマコウゾリナ。白馬岳のものより小さめ オヤマリンドウ
ハクサンフウロ 種池山荘
秋枯移行中のお花畑 ミヤマコウゾリナ
ヒトツバヨモギらしい。高山のヨモギは数種ある 鉄砲坂の看板
シモツケソウ ミヤマホツツジ
ハクサンオミナエシ ガラ場
ミヤマアカバナだと思う オオバミゾホオズキ
辛うじて残ったミヤマキンポウゲ 今年初のゴマナ
ハクサンシャクナゲとアズマシャクナゲの違い。葉の根元に違いがある
オオカニコウモリ カニコウモリ
雪が消えた針ノ木雪渓。4日前に歩いたばかりなのでルートがはっきりわ分かる
アカモノの実。赤い実が名前の由来か? カライトソウ
扇沢駅 扇沢の河原で工事中
リョウブ 八ッ見ベンチ
オオバギボウシ 葉の裏からしてテンニンソウ
キオン タテヤマウツボグサではなくウツボグサ
対岸の駐車場。まだ空きあり 登山口前駐車場


 台風7号が近畿地方を横断して足早に日本海へと抜けた直後の木曜日。この日は私の会社はお盆休みではないが有給休暇の一斉強制取得日であり自腹でのお休み。休みは休みなので有り難く使うことにして、天候が思ったよりも早く回復しそうなので久々の爺ヶ岳に向かうことにした。残念ながら気圧配置から台風一過の快晴は期待できず、湿った南風が入って逆に大気の状態が不安定で昼前から雷雨の予報。こうなると短時間で登れる山が有利だし、湿った空気で透明度が悪く展望は期待できないことも考慮に入れて、何度も登っている爺ヶ岳とした。ここなら4時間弱で登頂可能だし登山道は良好で、前夜まで雨で藪が濡れていても体に触れる藪は皆無だ。

 水曜夜の柏原新道登山口前駐車場は空きあり。スノーシェッド間の駐車余地には車は皆無で、対岸の駐車場も大幅に空きがあった。水曜まで台風の影響が残ったはずで、逆に今山に入っている人は台風覚悟で登ったのだから根性がある。もう私には真似はできないなぁ。

 山頂到着は日の出の午前5時に設定して1時過ぎに出発。うまい具合に上空には星が見えているので雨の心配はなさそうだ。とは言え常識的にゴアはいつも持っているが。気温はそれほど高くないが湿気が高くて標高が低いうちは汗が噴き出し、最初から濡れタオルを首に巻いて片手には扇を持って扇ぎながら歩く。まだ周囲の木や草は濡れているので、時間が経過してタオルの水分が抜けてきたら濡れた葉に当てて水を補給する。予報では南風がやや強いとなっていたが、南斜面の登山道ではほとんど風は感じなかった。柏原新道の上にも下にも光は見えなかったが、県境稜線の岩小屋沢岳方面に光が見えた。

 種池山荘に到着すると窓の光は僅かだけで、もしかしたら宿泊客がいない区画は消灯しているのかもしれない。小屋の前には一人いるだけで静かであった。写真だけ撮影して爺ヶ岳へと進む。まだ真っ暗で詳細は見えないが、小屋東側のお花畑はもうほとんど花は終わっているようであった。

 稜線の低いハイマツ帯に出ると爺ヶ岳南峰付近に先行者の光が見えた。反対側には立山、剱岳の稜線がシルエットで見えているが、山頂付近に雲が絡んでいるのが見える。これから薄くなるのかと思ったら逆に雲が厚くなってこの日は立山も剱岳も山頂を見ることはできなかった。

 傾斜がきつくなってジグザグに上がっていくと展望が開け、冷池山荘の光が良く見えた。先行者は既に爺ヶ岳中峰を越えて北峰への下りにかかっていた。おそらく鹿島槍ヶ岳日帰りなのだろう。時間がかかるので帰りに雷雨に遭遇しなければいいのだが。稜線では予報と違って風向きは北西でやや強く、寒さを感じたので毛糸の帽子、ネックウォーマー、フリースの手袋を着用した。

 往路は爺ヶ岳南峰をパスして中峰へ。この頃にようやくライト不要な明るさになった。鞍部ではいつもの年と同様にコマクサが咲いていたが萎れかけ。今勢いがあるのはトウヤクリンドウで、もう山の花は秋である。この周辺にはクモマスミレがあるが花はもう終わっていて葉っぱがあるだけだった。

 縦走路を離れて爺ヶ岳南峰へ。無人かと思ったら北西の風を避けるために東側直下に若い男性が陣取って日の出を待っていた。挨拶だけ交わしてお互いに無言で東の空を鑑賞。うまい具合に東の空の地平線付近は雲が無く晴れて尾瀬の平ヶ岳、燧ヶ岳、至仏山、奥日光の山々を見ることができた。しかし頭上には雲が多いし、南の空は低い位置に雲があって奥秩父、八ヶ岳、南アルプスは見えなかった。富士山は山頂だけ見えていたがやがてそれも雲に隠れてしまった。槍穂も針ノ木岳も鹿島槍も雲がかかっており、予想通り台風一過の晴天とはならなかった。

 体を動かさないと寒いので登山靴を脱いで長ズボンを履き、フリースの長袖とウィンドブレーカも着用。午前5時過ぎに苗場山のなだらかな稜線から日の出を迎え、しばし展望を楽しむ。山頂でも時々ガスが流れて視界が遮られ、この後は天気が良くなるのか悪くなるのか予想しにくい。上空の雲の高さは低いが厚さはないので雨を降らせる心配は無さそうだった。

 1時間ほど休憩して午前5時半過ぎに下山開始。山頂到着から下山開始まで他に人は上がってこなかった。男性は私より一足先に下っていった。山頂付近ではミヤマコゴメグサとイワツメクサ、トウヤクリンドウが見られた。縦走路に合流するとハイマツの影にまだゴゼンタチバナがあり、気の早いウラシマツツジはもう紅葉していたが大半は緑色のままだった。長期予報では今年は春、夏が暑いだけでなく秋も暑いとのことで、紅葉は遅れそうだし色合いはイマイチかもしれない。昨年も秋は高温で11月下旬の鹿島槍でもほとんど雪が無かったが、今年も登山口へのアプローチ車道が閉鎖となる11月末日まで北アルプスに殆ど無雪で登ることができるかもしれない。

 中峰/南峰間鞍部では登山道のすぐ近くにコマクサ、トウヤクリンドウが咲いていた。登山道から離れた南側にはタカネヤハズハハコ、タカネヨモギあり。

 帰りは南峰に立ち寄る。3人が休憩中だが、おそらくいずれも小屋泊まりの人だろう。雲が下がってきたようで中峰では見えていた蓮華岳も雲に隠れてしまったが、北西の風は弱まってきたようだ。

 帰りは雷鳥がいないか探しながら歩いたが発見できず。花はもう秋の花でミヤマアキノキリンソウが一番多く見られる花であった。チングルマの群生地には低く目立たないがミヤマリンドウが花を付けていた。昨年まではこのルートでは小屋のすぐ近くしかミヤマリンドウは見られないと思っていたが、今回はチングルマの綿毛がある場所全てでミヤマリンドウを探したらことごとく発見! 小屋東側の広いお花畑もよ〜く見るとたくさんのミヤマリンドウがあった。過去の経験からミヤマリンドウやタテヤマリンドウはチングルマと一緒に生えていることが多い。ただしチングルマがある場所全てにミヤマリンドウ/タテヤマリンドウがあるわけではない。冷池山荘テント場の先の稜線東に登山道がある区間でチングルマの中にリンドウが無いか探したことがあったが見当たらなかった。

 無人の種池山荘前で県境稜線を離れて下山開始。夏の花ではハクサンフウロがかろうじて頑張っているだけだがこんなものだろう。ガラ場付近ではハクサンオミナエシ、ミヤマアカバナ、オオバミゾホオズキ、そして辛うじて残ったミヤマキンポウゲなどが見られた。秋の花である白い花のゴマナも。高度が落ちると少ないながらカニコウモリ、オオカニコウモリが見られた。

 樹林が開けると針ノ木岳が顔を出す。雲が厚くなって見えないままだと思ったらいつの間にか雲が切れていた。雪が消えた針ノ木雪渓では人の姿は写真に写らないが秋道の存在が分かる。今頃登っている人がいるはずだ。駅見岬からはその名の通り扇沢駅が見えたが有料駐車場はまだまだ空きがあった。

 さらに高度を落とすとリョウブの木の花あり。登山道が東斜面に移ると例年咲いている場所でオオバギボウシがまだ花を付けていた。この付近ではハクサンオミナエシも見られるのだがもう散ってしまっていた。登山口付近ではオオカニコウモリ、テンニンソウ、キオン、ウツボグサが見られた。

 登山口に戻ると道路の反対側の駐車場は満車だが対岸の駐車場にはまだ空きがあった。今日は平日で会社がある人もそれなりにいるということだろう。

 

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